2010年12月01日

卒論における分析方法

卒論では客観的な分析が重要になります。
自分の意見を説明するにも「自分はこう思っている」だけでなく、具体的なデータを提示してそれを立証、強化する必要があるのです。
ではそのような分析はどのようにして行うとよいのでしょうか。

まず数字をうまく活用するのがポイントです。
「現在、若者の間では携帯電話を活用しているので」と書くよりも「現代社会における15歳~25歳までの携帯普及率は○○%なので」と書いたほうがより説得力を持ちますし、その後説明にも役だってくれます。

それから説明したい内容をうまく分類すること。
説明したいことが多い場合、ただひたすら並べていくだけでは読むほうは混乱してしまいます。
適度に分類し、同じ分類の内容はまとめて説明するようにすることで、すっきりと読みやすくなります。
この分類方法は扱うテーマによってさまざまな種類があります。
時代、業種、特徴、内容、性別など。
これは自分が重視したい内容に合わせて分類方法を決める必要があります。
たとえば歴史をテーマにした場合、時代ごとに分類する方法や、貴族や武士など身分によって分類する方法などがあります。

比較も重要です。
自分の意見を立証したい場合、明確な比較対象を設定して比較することで効果を発揮することができます。
比較の際のギャップが大きければ大きいほど説得力が伴うでしょう。
その場合は、上に挙げた分類方法や数字の活用をうまく組み合わせることも必要になります。
こうした分析方法をうまく駆使することで、より説得力のある卒論を作成することができるでしょう。

卒論とインターネット

近年、卒論とインターネットの関係に対する議論が相次いでいます。
インターネットのおかげで手軽に資料や情報を探すことができるようになった反面、ネット上に掲載されている論文や資料をそのまま丸写しする問題も発生しているのです。
手軽に情報を入手することができるようになったことで、著作権に対する感覚が麻痺してしまっている傾向が見られているのです。

いうまでもなく、インターネットに書かれている文章にも著作権が存在しています。
コピーペーストを利用すれば簡単に丸写しできてしまうだけに安易に行ってしまうことが多いのです。
これは絶対に避けなければなりません。
丸写しが判明した場合は、それだけで不可になりますから注意が必要です。

もちろん、引用は可能です。
卒論にインターネットを活用する際には、丸写しと引用の線引きがうまくできないというケースが多いようです。
本人は引用のつもりでも、どうみても丸写しというケースです。
引用として活用する場合には、必ずそのことを記載することが大前提となります。
そして引用元の意見や説と、本人の説は必ず分けて説明する必要があります。
引用というのは自分の考えを説明するため、あるいは立証するために行うものですから、その点をしっかり踏まえて資料を利用していかないと、無意識に丸写しをしてしまうことになりかねません。

うまく活用すれば効率よく情報を収集でき、しかもより深い内容の卒論を作成できる。
それがインターネットです。
ネットに振り回されるのではなく、あくまで必要に応じて利用する。
その立場を忘れずに活用したいものです。

卒論の構成

卒論を書く場合にはまずしっかりとした構成を確認しておく必要があります。
レポートなどに比べてずっと分量も多く、内容の充実が求められますから、まずしっかりした構成で読みやすい状況にすることが大前提となるのです。
卒論の構成はある程度決まったフォーマットがあります。
ですから、これを守っていないとそれだけで評価が下がってしまいます。

まず表紙。
年度、研究テーマ、提出日、所属する学科、学生番号、氏名、大学・学部名を横書きで記載します。
それから概要。
1ページ、500~600ページ程度にまとめるもので、その論文の内容をおおまかにまとめることになります。
この概要がしっかりと書かれていないと、論文としての評価が下がってしまうので注意が必要です。

それから目次、章立てとそれに対応したページを書くことになります。
ひと目で全体の構成と流れを把握できるような作りが求められます。
そしていよいよ本論。
個々の章の内容の充実を心がけながらも、全体のバランスや流れも踏まえた上で展開していく必要があります。
本論の最後に結論を持っていきます。
本論とスムーズに結び付けられ、説得力のある内容が求められることはいうまでもありません。
そして最後に付録と謝辞、参考文献。
付録とは、論文をより理解してもらうために必要と判断された資料などを掲載するものです。
謝辞は論文の作成においてお世話になった人に対する感謝の言葉、参考文献は著者や出版社名などを正確に記す必要があります。
こうしたフォーマットをしっかり踏まえたうえで作成することが求められるのです。

論文における図表の扱い方

卒論やレポートでは自らの考えを説明・立証するために図表を掲載する場合もあります。
その場合は、参考文献とはまた違った形で扱い方の注意が必要となってきます。

まずわかりやすいものにすること。
専門的な書籍に掲載されていた難しい図表をそのままコピーした場合、読む人に理解してもらえない場合があります。
自分の考えを強化するのに役だつ部分だけをピックアップするなど、適度な加工も必要になります。
もちろん、内容を捻じ曲げるようなことはしないようにすることは言うまでもありません。

それから番号をつけること。
「図1、2」「表1、2」といった形です。
また、必要に応じてタイトルをつけておきましょう。
論文内で表を参照してもらう必要がある場合には、必ずそのことを記載することも不可欠となります。
文章の末尾に(図1参照)といった形で挿入したり、「表1に書かれているように…」といった形で説明に取り込むやり方が一般的です。

使用した図表は参考文献と同様、論文の末尾に必ず出典元を掲載します。
掲載方法は作者名、論文・書籍名、出版社、年度、ページとなります。
難しいのは出典元も他の文献から引用している場合。
元の図表が海外の論文の場合によくあるケースです。
その場合には両方を示すようにし、原典のほうには「原典」、直接の引用元には「出所」と書くようにします。
なお、図表を加工した場合にはそのことをしっかりと記しておくようにします。
図表をうまく活用できるようになれば、論文の内容がより豊かになります。
ぜひともうまく使いこなすようにしましょう。

卒論の作成方法

卒論はどうやって書けばよいのか、日ごろ文章を書くことに慣れていない学生にとっては途方にくれてしまうものです。
ズバリ、卒論の書き方、作成方法といったものはないのかと思っている人も多いのではないでしょうか。

これを身につければ誰でも卒論を書ける、といったような虎の巻は存在しませんが、踏まえておくことで書きやすくなるポイントといったものがいくつかあります。

まずゼミに参加すること。
当たり前のように思えますがこれはかなり重要です。
指導教員のアドバイスを受けることはもちろん、同じゼミの学生と意見を交換し合うことも大事なのです。
文献を読んだり調査をするなど、自分ひとりで作成を続けているだけだと行き詰ってしまう場合もあります。
そんな時、他の人の意見を聞くことで新たなアイデアが浮かぶこともあるのです。

それから、最初の段階から結論をある程度まとめておくこと。
具体的な内容でなくてもよいですから、大まかな「オチ」を決めておくのです。
そうでないと研究がまとまらなくなってしまう恐れがあります。
もちろん、結論を強化するために意図的に資料を取捨選択するようなことは避けるよう注意が必要になります。
また、人に見せるものであることを常に忘れずに書くこと。
研究に没頭していくと、どうしても内容がひとりよがりになってしまう場合があります。
わかりやすい文章で、すっきりとした内容の論文を書くためにも、人の目を意識しながら書いていくことが大事になります。

卒論の参考資料の選び方

卒論を作成する上で重要になってくるのが参考資料選び。
質の高い論文を書くためには、やはり質の高い参考資料が求められます。
また、どのような参考資料を扱ったかがまず卒論を評価するポイントにもなってきます。

では、参考資料はどのように選べばよいのでしょうか。
学問的に高い評価を得ている資料であることが求められるのはもちろんですが、大学生ではそれを自分で判断するのはなかなか難しいものでしょう。
ですから、他者の意見を参考にすることも大事です。
世評の高い資料、あるいはその分野では定番とされているような有名な資料がまず候補に挙がります。
これは論文を書くうえで土台になってくれるものですからとくに重要です。
それから出版社や雑誌、学会など。
有名な出版社や評価の高い雑誌、学会誌などに発表された論文などを参考にするのもひとつの選択肢です。

より高度な卒論を手がけたいと思っている場合には、一次資料を直接当たってみるという方法もあります。
たとえば、古典文学の場合は直接原典を当たってみることが大前提となりますし、文献学でもできれば原典に目を通しておきたいところです。
扱うテーマによっては、インタビューや自分の足で調査した資料も一次資料となります。

それからもうひとつ、思考力や文章能力を学ぶことができるような書籍も参考資料としてあげたいところです。
手がけるテーマにおける構成や展開を学ぶ上でも重要な意味を持ちます。
こういった参考資料をうまく選ぶことが、卒論作成の第一歩となるのです。

卒論における評価ポイント

卒論は時間をかけてじっくりと取り組むべきものといわれます。
しかし、必ずしも時間や労力をかければよいというわけでもありません。
大学の卒業を判断するためのものですから、やはり内容が重要になってきます。
頑張ったことをアピールするのではなく、いかによいものを作成したかをアピールすることが必要になるのです。

膨大な参考文献を並べて努力の跡をアピールしたり、時間をどれだけかけたをアピールしたり、高度な理論を学んでそれを役立てようとしたり。
そういった努力は大切ではありますが、卒論そのものの評価とは本質的には関係ありません。
やはり内容で目を引くようなものを書くようにしたいものです。

卒論における評価に関してはいくつかのポイントがあります。
まず、しっかりと考えて書いたかどうか。
難しい文章や理論を使っているかどうかではなく、あくまで自分の考えとして述べているかがポイントとなります。
いくら参考文献を多数並べても、その受け売りでは評価は得られないでしょう。
それと共通する部分もありますが、オリジナリティがあること。
いろいろな文献をつぎはぎにしたような意見や、高度な理論を使っていながらも単に理論そのものを丸写ししているような内容は評価されません。
やはり自分の頭で考えて書く必要があるのです。

それから構成と展開。
いくら独自な意見を持っていても、好き勝手にそれを並べているだけでは論文として成り立ちません。
納得させられるような構成、展開を伴ってはじめて論文として成り立つのです。
こうした点を踏まえながら作成していくことが求められるでしょう。

卒論のテーマの設定方法

卒論はまず扱うテーマを決定するところから始まります。
このテーマの設定には大きく2つの問題があります。
まず根本となるテーマの設定、それからテーマの絞込みです。
たとえば日本と中国との交流の歴史をテーマに論文を書こうと思った場合、あまりにも広大で膨大な内容となってしまい、とても手に負えるものではありません。
ですから、そのテーマの中から卒論に相応しい内容を絞り込んでいくことが求められるのです。

その場合、全体のテーマの範囲を狭くします。
交流の歴史を例にすると仏教僧の交流や商人の交流など。
特定のターゲットに絞り込むことで、論文としての焦点を捉えやすくすることができます。
それでも、テーマが大きすぎる場合にはさらなる絞込みも必要となってきます。
歴史を例に取れば古代、中世、近世、近代など時代区分で絞ることができるでしょう。
あまり大風呂敷を広げず、それでいて研究の対象として十分に機能する範囲まで絞り込むのが卒論をうまく作成するためのポイントとなります。

テーマの範囲が決まったら、今度はより具体的な内容に持っていくことも求められます。
交流の歴史でいえばただ漠然とどのような交流が行われたかを扱うのではなく、それによって世の中がどのように変わったのか、文化や技術の交流によってどのような変化がもたらされたのか、あるいは貿易によって社会にどのような影響がもたらされたのか。
経済、思想など特定のテーマで具体的にまとめた方がよいでしょう。

このように、テーマひとつとっても決定するのは簡単ではありません。
いくつかの段階を踏み、自分の目的にもっとも合ったテーマへ絞り込んでいくことが重要になるのです。

卒論を通して身につけたいこと

卒論は単に大学を卒業するための試練ではありません。
大学で学んだことを証明すると同時に、卒業後社会人になった際に学んだことを役立てるためにも重要な意味を持ってきます。
これからの時代、社会人は単に言われた仕事をこなすだけでなく、自ら動いて役割を果たすことが求められます。
そんな時代に生き残れる社会人となるためにも、卒論は貴重な学ぶ機会となります。

「使える社会人」とはどのようなタイプのことを言うのでしょうか。
言われただけをこなすのではなく、自分でやるべきことを見出し、そのための最適な方法を見つけることができる人間のことです。
そのためには物事に対する分析力や調査力が求められます。
あるテーマに対して具体的な内容をチェックし、問題点や疑問点をピックアップしたうえで調査、分析を通して解決法を見出す。
自分で調べ、自分で考える能力が求められるのです。
これはまさに卒論の作成に求められる条件とピタリ一致するものです。

こういった能力を卒論を通して身につけることができます。
しかも指導教員に適時アドバイスを受けながら。
社会人になった後ではなかなか丁寧なアドバイスを受けながら学ぶ機会というものは得られません。
習うより慣れろといいますが、やはり習っておくことも重要なのです。
卒論にいかに力を注いで作成したかどうかで、その後の社会人としてのスキルにも大きく影響してくるといっても過言ではありません。
卒論を作成する際には、学べることはなんでも学んでやろう、というくらいの気持ちで取り組みたいものです。

卒論の目的意識

卒論はなぜ書くのか、作成に入る際にはまずその目的意識からしっかりと定める必要があります。
多くの人にとって卒論とは卒業するために必要なハードルという意識でしょう。
とりあえず可もなく不可もなく書き上げてクリアできればよい、と考えている人も多いのではないでしょうか。
もちろん、卒論は大学を卒業するもの、ひいては大学卒業の資格を得るためのものです。
ですからその目的意識は決して間違っていないでしょう。
しかしせっかく手間暇をかけて卒論を作成するのですから、もうワンランク高い意識を持って作成してみるのもよいのではないでしょうか。

厳しい経済状況、終身雇用の崩壊など就職をめぐる環境は厳しさを増すばかり。
大学生は単に就職を目指すだけでなく、社会人としていかにスキルアップを果たすことができるかまで考えた上で、就職活動を行う必要がでてきます。
そのためにも、就職後のスキルアップに役だつようなテーマで卒論を書く、あるいは研究・調査を行うことも重要になるでしょう。
社会人になるとなかなか勉強に時間を割くことが難しくなります。
「学生時代にもっとも勉強しておけばよかった」と後悔するケースも多くなります。
そんな勉強の機会として卒論は絶好のものといえるでしょう。

ほかにも将来専門的な分野で仕事をしていきたいという人にとっても卒論は重要な意味を持ってきます。
こうした高い目的意識を持つことで卒論の作成にモチベーションを維持することができます。
結果的に質の高いものを書き上げることができるのではないでしょうか。